
増補改訂 基礎から学ぶ社会保障
社会保障の理念と目的・制度を根本原理にさかのぼって学ぶ入門書
- 芝田 英昭(著)
- 2,700円(税込)
- 発行年月日:2016/03/25
書籍の内容
憲法公布70年。人権としての社会保障は歴史的な転換のうねりのなかにある。 社会保障の構造と原理・原則から各論にわたって、その根本原理としくみ、改革動向と拡充の方向性までをわかりやすく解説する。社会福祉士・精神保健福祉士養成カリキュラム準拠。目次
第Ⅰ部 理論と構造
第1章 社会保障の基本原理
- 1.生活問題を理解する
- 2.社会保障の理念の変遷
- ・レーニンの「労働者保険綱領」にみる社会保障の理念/・アメリカ「社 会保障法」成立の意義と特質/・福祉国家の基礎を築いたニュージーラン ド社会保障法/・社会保障の世界的広がりと ILO の役割/・ベヴァリッジ 報告「社会保険および関連サービス」と社会保険/・憲法 25 条と社会保障
- /・社会保障制度審議会/・社会保障に関する公的諮問機関と私的諮問機 関の果たした役割/・新自由主義の台頭と社会保障改革の行方
第2章 社会保障のあゆみ
- 1.イギリスにおける社会保障の歴史
- ・社会保障前史/・社会保障への途
- 2.ドイツにおける社会保障の歴史的特質―「飴と鞭」の政策の本質
- 3.第二次世界大戦後の社会保障の発展(1945 年以降)
第3章 社会保障と人権
- 1.人権史概説
- 2.人権とは
- 3.日本国憲法上の人権と社会保障
第4章 社会保障をめぐる最近の動向―安倍政権下の社会保障改革を問う
- 1.自己責任論と医療格差拡大の恐れ
- 2.社会保障改革と医療分野の市場化
- 3.地域医療構想と「保健医療 2035」提言書の意味するもの
- 4.社会保障抑制への対抗としての「能力の共同性」視点
第5章 社会保障の行財政
- 1.社会保障財政の現状
- 2.社会保障財政の国際比較
- 3.自己負担(窓口負担・利用者負担)
- 4.所得再分配
- 5.社会保障の行政システム―企画立案と実施体制
第Ⅱ部 制度各論
第6章 社会手当
- 1.社会手当(家族手当)とは
- 2.なぜ社会手当(家族手当、児童手当)は生まれたか
- 3.日本の児童手当をめぐる諸問題
第7章 労働保険―労働者災害補償保険と雇用保険
- 1.労災保険
- 2.雇用保険
- 3.労働保険の問題と課題
第8章 年金制度
- 1.年金制度の概要
- 2.年金制度の歴史と問題点
- 3.今日における年金制度の課題
第9章 生活保護
- 1.公的扶助の発展過程
- 2.生活保護法の目的と保護の実施体制
- 3.生活保護法の基本原理と基本原則
- 4.生活保護制度で保障される最低生活
- 5.「自立」をめぐる動向
第10章 子ども家庭福祉
- 1.子ども・家庭
- 2.保育
- 3.児童相談所
- 4.社会的養護
- 5.子育て支援
- 6.就学援助
- 7.社会保障と子どもの貧困
第11章 障害者福祉
- 1.障害とは何か―障害の定義をめぐって
- 2.障害者福祉思想の歴史的展開
- 3.障害者福祉の法体系を中心に障害者について考える
- 4.障害者の暮らしの変遷と課題について
- 5.「障害者権利条約」と障害者福祉の現代的課題
第12章 高齢者福祉と介護保険
- 1.介護保険制度の導入
- 2.介護保険制度の概要
- 3.介護保険制度の変遷
- 4.介護保険制度と他の制度との関係
- 5.高齢者福祉と介護保険の課題
第13章 地域福祉
- はじめに―社会保障と地域福祉の接点
- 1.地域社会と暮らしの変化
- 2.地域福祉の今日的課題
第14章 公的医療保険制度
- 1.日本の公的医療保険制度
- 2.公的医療制度改革の変遷
- 3.公的医療保険から公的医療保障へ
第Ⅲ部 諸外国の社会保障
第15章 韓国の社会保障
- 1.韓国の政権変遷と社会保障
- 2.政権ごとの社会保障の特徴
- 3.韓国の社会保障制度
第16章 台湾の社会保障
- 1.台湾の憲法における社会保障
- 2.社会保障制度の発展と体系
- 3.台湾の社会保障諸制度
第17章 ドイツの社会保障
- 1.ドイツの政治・経済・社会状況
- 2.医療保険
- 3.年金保険
- 4.介護保険
- 5.失業保険
- 6.公的扶助―社会扶助と求職者基礎保障
- 7.社会手当
- 8.ドイツの社会保障制度の最近の動向
第18章 ニュージーランドの社会保障の概要と課題
- 1.ニュージーランドの社会保障の概要
- 2.二度の福祉改革とその課題
- 3.ニュージーランドに潜む二つの大きな問題