公民館はだれのもの 住民の学びを通して自治を築く公共空間
学びの自由はここにある
学びの自由はここにある
- 長澤 成次
- 1,944円(税込)
- 発行年月日:2016/08/31
- ISBN-10:4880376566
- ISBN-13:9784880376561
- C-CODE:0036
- ページ数:196ページ
- 本のサイズ:A5
書籍の内容
公民館に首長部局移管・指定管理者制度はなじまない。社会教育施設の再編を背景に、学びの自由と自治が根本から脅かされている。こうした状況をつぶさに分析して、住民主体の地域社会教育運動の観点から、公民館の可能性をあらためて追究する。目次
第1章 公民館にとって教育委員会制度とは何か
─二〇〇七年地方教育行政法「改正」に焦点をあてて
- 1 戦後公選制教育委員会制度発足の意義
- 2 社会教育行政の一般行政化と教育行政の広域化・集権化をすすめた二〇〇七年地方教育行政法改正
- 3 社会教育にとっての教育委員会制度の意義と可能性
第2章 二〇一四年地方教育行政法「改正」と公民館再編
- 1 中教審答申と自民党教育委員会制度改革案
- 2 教育委員会制度と「政治的中立性」をめぐって
- 3 首長部局の教育委員会への権限を強化した二〇一四年地方教育行政法改正
第3章 公民館の首長部局移管問題で問われたもの
─岡山市を事例に
- 1 戦前教育の深い反省から出発した戦後教育改革
─人権としての社会教育権 - 2 学びの自由と教育委員会制度
- 3 岡山市当局の「学びと実践の相乗効果」論をどう考えるか
- 4 全国を励まし続けている岡山市公民館
第4章 公民館への指定管理者制度導入の問題点
- 1 人権としての教育権・学習権を保障する社会教育施設
- 2 教育委員会が管理主体であると規定されている社会教育施設
- 3 あらためて指定管理者制度を問い直す
- 4 千葉市公民館への指定管理者制度導入問題の現段階
第5章 公共施設再生計画と公民館の再編・統廃合
- 1 習志野市における「公共施設再生計画」と公民館再編・統廃合
- 2 市民の学びの自由と権利を実質化する自治体社会教育の役割
第6章 市町村合併と公民館再編問題
- 1 五〇年代町村合併と公民館の再編
- 2 青年団と市町村合併
- 3 「平成の大合併」と地域社会教育の課題
第7章 さいたま市九条俳句不掲載事件をめぐる課題
- 1 さいたま市における公民館再編問題と九条俳句不掲載事件
- 2 住民の学びの自由と自治を保障するもの
第8章 地域に学びと自治を創る公民館報の可能性
- 1 自治体広報紙(市町村報)と公民館報の歴史的関係をめぐって
- 2 公民館報の自主性と自由を担保する編集権の独立
- 3 地域に学びと自治をつくる公民館報の可能性
第9章 東日本大震災に公民館はどう対応したか
- 1 大船渡市公民館は東日本大震災にどう対応したか
- 2 学び・文化・自治の公共空間としての公民館をめぐる課題
特別報告 千葉県内の公民館は東日本大震災にどう対応したか
─千葉大学教育学部「社会教育演習」受講学生による調査から
第10章 地域住民の学びを支える公民館職員をめぐる課題
- 1 日本における社会教育職員数の概観
- 2 一九五一年社会教育法改正と社会教育主事規定の変遷
- 3 派遣社会教育主事制度の発足
- 4 社会教育主事講習の受講資格の緩和
- 5 社会教育法制における公民館主事規定
- 6 公民館主事の専門職化をめざす自治的努力
- 7 公民館主事の専門的力量形成をめぐる現代的課題
- 8 二〇〇八年社会教育法改正と社会教育主事の職務内容をめぐって
第11章 住民主体の自治体社会教育計画づくりの展望
- 1 国の第一期「教育振興基本計画」(二〇〇八年七月一日)における社会教育の位置づけと住民主体の社会教育計画づくりの可能性
- 2 第二期教育振興基本計画における公民館の位置づけについて
- 3 社会教育法制における住民参加システムと地域社会教育計画づくり
- 4 地域社会教育計画づくりの要としての社会教育委員制度
- 5 住民参加の自治体社会教育計画づくりの展望
[資料]
- 一九四七年教育基本法(昭和二十二年三月三十一日法律第二十五号)
- 二〇〇六年教育基本法(平成十八年十二月二十二日法律第百二十号)
- 社会教育法(昭和二十四年六月十日法律第二百七号)(抄)
- 文部科学省告示第百十二号
- 初出一覧