国立景観裁判・ドキュメント17年 私は「上原公子」
企業・司法と闘う市民による景観保護運動
企業・司法と闘う市民による景観保護運動
- 上原 公子, 小川 ひろみ, 窪田 之喜, 田中 隆(編)
- 1,300円+税
書籍の内容
国立景観裁判とはなんだったのか。市民自治による景観保護運動の始まりから企業・司法との闘いまでの17年を跡づける。忖度して判断しない司法の実態に切り込み、元市長個人に科された賠償金を全国的な募金運動によって完済する過程は、今後の景観運動と市民自治のあり方を示す目次
第1章 国立の景観を守り・育てた市民自治の歴史がまちの誇り
- 国立景観裁判のはじまり
- 不思議な街 くにたち
- 明和マンション問題が再度市民自治の誇りに火をつける
- 市民発意の「地区計画」が決定打に
- 国立景観運動の意味
- 求償訴訟は市民自治破壊の行為
- 確定した高裁判決の創作劇
- 忖度する司法の歪み
- 求償裁判地裁での上原最後の陳述
第2章 憲法、地方自治と国立景観裁判─自治の姿をみる
- 景観破壊とたたかった「オール国立」の住民自治、四つの裁判
- 住民自治の悪用に立ち向かう
- 住民自治の歴史を引きついだ「オール国立」のたたかい
- 憲法と地方自治のあり方─住民自治のよりどころ
- 住民自治を正面から受け止めた一審判決
- 住民自治の理解を拒否した二審政治判決
- 最高裁判所の極めて政治的な判断回避
- 司法の誤りを超える自治の力を
第3章 国立景観求償訴訟─問われたもの、裁けなかったもの
- 二つの前史
- 第一審・東京地裁での審理と判決
- 控訴審・東京高裁での審理と判決
- 上告審・最高裁の判断回避
- 五年のときを経て
第4章 上原景観基金1万人」運動─4556万2926円完全返済への道のり
- 高裁の「支払い命令」後の「くにたち大学通り景観市民の会」の活動
- 最高裁へのアピール行動と市民陳情
- 「くにたち上原景観基金1万人の会」発足
- 支援者たちと密に繋がるための方法と仲間たち
- 上原さんに代わって市民が支払う「第三者弁済」という方法
- パンフレット『私は上原公子!』の大反響
- 司法のあり方を考える
第5章 国立景観裁判と「私」
- 最高裁長官への「市民陳情」─最高裁判所長官・寺田逸郎殿
- 地域からの声
- 保坂展人「地方自治の根幹を揺さぶる最高裁決定と首長の覚悟」
- 年表 国立の市民自治・明和マンション問題
- くにたち上原景観基金1万人の会