豪雨災害と自治体 防災・減災を考える
豪雨災害にどう対応すればよいのか
豪雨災害にどう対応すればよいのか
- 大阪自治体問題研究所・自治体問題研究所編(著)
- 1,600円+税
- 発行年月日:2019/02/05
- ISBN-10:4880376884
- ISBN-13:9784880376882
- C-CODE:C0036
- ページ数:160ページ
- 本のサイズ:A5
書籍の内容
毎年のように豪雨災害が猛威を振るっている。その原因・メカニズムを気象学、被害の拡大を地質学から追究し(寺尾徹、田結庄良昭)、2018年の豪雨が各地にどのような災害をもたらしたか、現地からの詳細な報告を収める(磯部作、越智秀二、村田武、山藤篤、松岡淳、小淵港、田結庄良昭、池田豊)。
そして、このような災害に対して自治体はどう対応すればよいのか、防災と減災の視点から問う(室崎益輝、塩崎賢明、有田洋明)。
目次
はしがき 中山 徹
Ⅰ 豪雨災害のメカニズム
1 人間と災害の間合いを地球温暖化はどう変えるか 寺尾 徹
- 1 「極端現象」とは何か
- 2 災害をもたらす極端現象
- 3 温暖化の進行で極端現象は増加するか
- 4 極端現象はすでに増加しているか
- 5 広島豪雨を解析する
- 6 極端現象の原因は地球温暖化なのか
- 7 極端現象はなぜ増えるのか─豪雨が増えるメカニズム
- 8 災害との間合いをはかる
2 日本の地質・地形の特質がもたらす西日本豪雨の災害 田結庄良昭
- 1 土石流被害が多かった西日本豪雨災害
- 2 西日本の地質や地形の特質がもたらす豪雨災害
- 3 土石流のメカニズムと恐さ
- 4 土砂災害の危険をどう察知するのか
- 5 洪水被害と課題
- 6 ダム操作と洪水被害
- 7 土砂災害警戒区域と問題点─開発に防災が追いつかない
Ⅱ 現場で何がおきていたのか
1 岡山県●防げたはずの豪雨災害 磯部 作
- 1 岡山県における西日本豪雨災害の状況
- 2 西日本豪雨災害の原因
- 3 西日本豪雨災害からの課題
2 広島県●全国最多の土砂災害危険地帯で起きた災害 越智秀二
- 1 降雨の特徴
- 2 広島県での災害について
- 3 災害の概括と教訓化の課題
3 愛媛県●農林水産業と中小企業の被災 村田武・山藤篤・小淵港・松岡淳
- 1 農林水産業の被害
- 2 西予市における中小企業の被災と復旧対策
4 兵庫県●神戸市灘区篠原台の盛土開発地の崩壊による土石流被害 田結庄良昭
- 1 西日本豪雨による兵庫県の被害
- 2 篠原台を襲った土石流の原因は盛土開発地の崩壊だった
- 3 篠原台は土砂災害警戒区域に指定されていた
5 京都府●災害時の自治体連携と自治体疲弊 池田 豊
- 1 増大する自然災害と自治体職員
- 2 京都における災害と自治体職員
- 3 2年連続の大規模水害を受けた福知山の経験から
- 4 災害時の自治体広域連携
Ⅲ 防災・減災のまちづくりへの課題
1 減災まちづくりと自治体の役割 室崎益輝
- 1 防災行政大転換の方向性
- 2 減災の考え方と課題
- 3 危機管理の考え方と課題
- 4 コミュニティを基盤におく防災
- 5 減災まちづくりの必要性と可能性
- 6 地区防災計画の推進
- 7 自治体の責任と役割
2 避難所・避難生活の現状と課題 塩崎賢明
- 1 防災と減災
- 2 関連死の多発
- 3 関連死の主な要因
- 4 避難所の現状
- 5 避難所の環境基準
- 6 イタリアの事例
- 7 内閣府ガイドラインと現場の実態
- 8 在宅被災者
- 9 避難生活の改善のために
- 10 今後の備え
3 災害時の公務・公共職場 有田洋明
─大阪府の対応をケーススタディとして
- 1 災害時の公務・公共職場はどうなっているのか
- 2 大阪における被害状況と災害時の対応
- 3 災害の概括と教訓化の課題